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業務改善コンサルからSaaSカスタマーサクセスへ。常に持っていた「働きづらさを解消したい」という想い

2022.08.21

キャリアに向き合う若者の、等身大なキャリアストーリーを掘り下げるLiferary Media。

今回は、学生時代から「働きやすさに貢献したい」という強い思いを持ち、タレントマネジメントSaaSのカスタマーサクセスとして働く古元 遥奈さんにお話を伺いました。

一貫して持っている仕事のビジョン、納得感を持って転職するために行った準備、現職で感じるやりがいを話してくれました。

組織から個人の働きやすさを実現したい。放っておけない日本の風潮

ーまずは学生時代から新卒時代のお話を伺えればと思います。前職の会社に入社した背景について教えてください。

“大学生は人生の夏休み”という言葉に違和感を抱えていました。人生は大学を卒業してからのほうが長いのに「これから先はつらいことばかりだよ」と言われている気がしたんです。周りにも楽しそうに働く大人が少なく、世の中の仕事に対する意識を変えて、楽しそうに働く人や、働くことをポジティブにとらえる人を増やしたいという思いを持っていました。

ー“大学生は人生の夏休み”ってよく言われますよね。他にも古元さんの仕事観に影響を与えたできごとはありますか?

子育てがひと段落つき復職を考えていた母が、再就職に苦戦している姿を見ていました。おそらく専業主婦だった期間の長さが不利に働いたんですよね。働きたいという意志があっても、さまざまな事情で働くことを諦めざるを得ない人がいる状況に、モヤモヤを感じていました。

今でこそ世間的にリモートワークは珍しくないですが、当時は柔軟な働き方を受け入れる企業が増えて、人々の働きづらさが解消されたらいいなと思っていました。

ーご家族を見ていて、日本での働きづらさに課題を感じていたんですね……。働く個人ではなく、組織に対してアプローチしたいと思ったのはなぜですか?

組織を変革したほうが、社会に与えるインパクトが大きいと思ったからです。採用という一部分だけではなく組織内での働きやすさ向上に貢献したいと思い、組織課題を解決するコンサルティングという職種を選びました。

ー新卒で入社した会社ではどんな仕事をしていましたか?

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社で、業務改善コンサルティングを行っていました。バックオフィス業務を効率化するためにヒアリングを通した現状の可視化、システム導入のご提案が主な業務でした。また、システム運用の定着に向けたマニュアル作成や、PMOとしてプロジェクト管理も経験しました。

ー入社の決め手は何だったのでしょうか。

大手グループ会社は持っているリソースが大きい分、さまざまな組織課題にアプローチができると思ったからです。他にも事業内容・企業風土・裁量権の大きさなどを、内定をいただいた数社の中で比較して決めました。

多様な職種の人の意見を聞き、納得感を持ってカスタマーサクセスへ

ー望んでいた仕事だったと思うのですが、なぜ転職を考えたのですか?

実際に働いてみて、自分がやりたいこととのズレを感じたからです。クライアントの残業時間が減るといった価値提供ができている満足感はあったものの、前向きな気持ちで働く人を増やすことには直結していないもどかしさを感じていました。自分のビジョンを達成するには違う方法を考える必要があるなと。

そこで興味を持ったのがタレントマネジメント領域でした。評価・配置などの従業員データを用いて、離職率改善や従業員エンゲージメント向上といったさまざまな組織改善に貢献できる分野だったからです。

ータレントマネジメント領域が、自分のやりたいことに近いと思ったんですね。

とはいえ、いきなり転職を考えたわけではなく、まずはできることから副業に挑戦してみることにしました。キャリアスクールでのカウンセリング、就活生のメンター、コーチングなど、“個人の働き方”をサポートする仕事に加えて、企画のスキルも必要だと考えていたので、中高生向けの探究学習プログラムの企画・制作にも挑戦しました。

しかし副業を続けるうちに、「本業でもビジョン達成に繋がる仕事がしたい」という思いが強くなっていきました。

ー副業もたくさんしていて、とてもパワフルですね!本格的に転職を考えはじめたきっかけは何だったのでしょうか?

もともと上長によくキャリアの相談をしていて、自分のビジョンについても話していました。その方からの提案で社内公募制度を使って企画職へ応募したのですが、そのポジションに求められていた要件がかなり厳しく、異動は叶いませんでした。

それがきっかけで、社外にも目を向けようと思い、さまざまな会社の方とカジュアル面談をするようになりました。20人ほどは話したかと思います。

ー20人も!どんな方とカジュアル面談をしたのですか?

選択肢を増やすためには、そもそもどんなものがあるのか知る必要がありました。なので、納得して次のキャリアを歩むために【自分がやりたいことを経験している人】に話を聞くことにしたんです。

ビジネスSNSを使ってシンプルに興味がある会社の方や、“人材業界出身”、“女性のキャリアを応援したい”“タレントマネジメントを実現したい”といった自分の志向に関するキーワードで検索し、キャリアサマリを見て「話を聞いてみたいな」と思う方に面談申請をしていました。

ーカジュアル面談で聞いたことも、ぜひ具体的に教えてください!

その方が所属する会社というより、その方自身について伺っていました。

仕事内容や、何にやりがいを感じてその会社にいるのか、またその会社で経験を積むメリットとデメリットなどを聞くことで、知らなかった職種について理解を深めながら、共感する部分と「ちょっと違うかも」と思う部分を整理して「自分の理想に合う/合わない」の判断をしていました。

ーリアルな声には納得感がありますよね。それからはどのように自分の中で整理したのですか?

さまざまな立場の人から話を聞いて、

①外部から組織を支援する人事コンサルタント
②自社のサービスを通じて課題解決をする営業・カスタマーサクセス
③自社の組織にコミットする人事

の選択肢を考えました。

タレントマネジメントと一口に言ってもその内容は幅広く、扱う組織課題もさまざまなので、今の自分のフェーズではより多くの企業に触れて、経験を積む必要があると考えました。

①のコンサルタントはプロジェクトが長期にわたれば触れられる企業数も限られますし、③の人事は自社の課題しか扱えません。そう考えると、②の事業会社の営業・カスタマーサクセスが最も多くの組織課題に触れられると考え、転職を決めました。

クライアントの課題解決に伴走。最適なアプローチを考えるおもしろさ

ー自分の中でしっかりと整理して、納得感をもって転職されたのですね。現在のお仕事について詳しく教えてください。

タレントマネジメントサービスを提供するSaaS企業で、カスタマーサクセスとして働いています。導入決定後のセットアップやデータ移管などの導入サポートと、クライアントの課題に合わせた蓄積データの活用方法のご提案などを担当しています。

お客様を担当するようになってから日が浅いですが、強く感じているのはクライアントごとに課題が多種多様であることです。離職者が増えているという課題を持つ企業が複数あったとしても、深掘りしてみると原因はそれぞれ異なります。各クライアントの課題にしっかりと向き合い、お客様にとって本当に必要な機能のご提案を常に意識しています。

ーまさに古元さんが積みたいと思っていた経験ができていますね!前職のご経験が活きていると感じる瞬間はありますか?

人事担当者がどこに悩み、苦戦しているかは前職を通してある程度理解しているので、「これって大変ですよね」と悩みに寄り添ったサポートができていると思います。

また、前職ではシステム保守・運用に触れる機会も多く、現職でちょうどシステム知見と人事知見をどちらも持っている人を求めていたそうで、その経験も活きていると思います。

ー前職の経験もしっかりと活きているのですね。古元さんの今後の目標を教えてください!

幅広い組織課題の知見を深め、「困ったら古元に聞いてみよう」と思ってもらえる存在になることです。まだ先の話にはなりますが、コミットしたいと思う会社があればHRの事業責任者としてジョインしたり、さまざまな会社のHRアドバイザーとして関われたらいいなと思っています。

ーはじめから一貫して“人の働きやすさに貢献したい”という思いを持っていらっしゃるのが素敵です!最後に、人事領域で思い描いていた課題解決ができずモヤモヤを抱えている方や、古元さんと似たようなキャリアに進みたいと考える方にメッセージをお願いします!

私も実際モヤモヤした時期がありましたが、今やっていることは絶対無駄にならないと伝えたいです。人事や採用領域に理解があることは必ず大きな強みになります。

ただモヤモヤ悩みつづけても、自分から変化を起こさないかぎり状況が変わることはありません。副業や転職など、変化を恐れずに新しいことに挑戦することは、私自身が経験してみて本当に良かったと思っています。

組織や人事の分野には正解がないですが、だからこそさまざまな知見やスキルを掛け合わせることが大切です。私も自分自身のさまざまな経験が役に立つと信じて、興味のあることへのチャレンジを続けています。

この記事を書いた人

Erina Hashimoto

 

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