ITコンサルからクラウドファンディング業界のキュレーターへ。心の「違和感」と向き合うキャリア選択
2022.12.19- ビジョン共感できる企業で働きたい
- 専門性・スキルを磨きたい
- 裁量・主体性を持って働きたい
- クライアントと直接向き合う仕事がしたい
キャリアに向き合う若者の、等身大なキャリアストーリーを掘り下げるLiferary Media。
今回は、ITコンサルから異業種へ転職され、クラウドファンディング業界にてキュレーターとして活躍する石山 万達さんにお話を伺いました。
学生時代の就職活動から、一社目に感じた違和感と新たな決断、そして現職でのやりがいについてお話頂きました。
Summary
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・自らの就職軸に合う、コンサルティング業界の道へ
同僚と切磋琢磨できる高い成長環境を求め、コンサルティング業界の道へ。
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・仕事内容に自分の想いとのズレを感じ、新しいチャレンジへ
「クリエイティブな仕事がしたい」という想いから、新しい環境で自己研鑽に励む。
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・自分を見つめ直して見つけた、全力で取り組める仕事
学生時代の気持ちを思い出し、クリエイティブな仕事に全力で打ち込む。
自らの就職軸に合う、コンサルティング業界の道へ
ーまず1社目は、どのような流れでアクセンチュアを選ばれたのですか?
就活は、大学3年生の春頃から始めました。
この時点では学校の先生になることも視野に入れており、教職課程を受けることを決めていました。教育実習の時期と大手企業の選考期間と被ることから、ベンチャー企業などのインターンに参加していました。
一方で、卒論のテーマとしてクラウドファンディングを挙げるなど、クラウドファンディング業界に興味は持っていましたが、興味を持ったマクアケは新卒採用をしていませんでした。
ーなるほど、最初はクラウドファンディングの業界に興味があったんですね。
はい。そこから興味のある業界を探す中で、コンサルは様々な業種に関わる機会があると聴き、飽き性な自分に合うと感じました。また、20代のうちは優秀なヒトが集まる環境で仕事に打ち込みたいという想いもありました。
結果的には、当時Netflixで見ていた「suit」という弁護士のドラマに登場するハーヴィー・スペクターのような上司に会い、実力主義の会社で働いてみたいという気持ちもあって、ご縁があったアクセンチュアに就職を決めました。
ー1社目は、アクセンチュアに入社されましたが、いかがでしたか。
入社前から情報収集していたので、ある程度業務のイメージを持って入社しましたが、実際に働いてみると、少しずれていたと感じました。
元々は、自分が面白いと感じるものを世の中に展開できる仕事だと思っていましたが、最初の配属先では業務効率改善や基幹システムの導入案件が担当で、日々淡々と業務をこなしているなと感じました。
ーそうだったんですね。自分の中での違和感が生まれたのは、入社されてからどれくらいのタイミングでしたか?
一番最初に感じたのは入社3ヶ月頃の研修です。
研修は内容も充実していて、資格も取得できるものだったので、「何もない状態から一つ武器を作り上げる期間だ」と言い聞かせ、スキル向上のために取り組んでおりました。
「好きこそ物の上手なれ」
「適材適所」
これは、自分が心から共感する言葉ですが、楽しそうに仕事をする同期がいる一方で、自分はスキルのためと割り切って学んでいる。これでは将来的に彼らに敵わないのではないか、クライアントも、同期のようなヒトと仕事をしたいのではないかと感じ始めました。
ーその後、会社に残り続けるかどうかを改めて考え始めたのはいつ頃でしたか?
1年目の12月、実際に配属されてから4ヶ月目の頃です。
プロジェクトによって異なりますが、当時のアサイン先は定期的な報告業務が多かったことに加え、クライアントも熱意を持っていない仕事が多いように見受けました。また、自分の仕事の先に喜ぶ人の顔がイメージできない、というのもズレを感じた理由だったと思います。
ーその違和感について、詳しく教えてもらえませんか。また、それを解消するためにどのような行動をされましたか?
私は、自分自身を「仕事にエネルギーを持って接するタイプだ」と自覚していましたが、そのエネルギーをこの仕事に向けたいと思えず、エネルギーが余っているような感覚でした。同時に「世の中に面白いモノを届ける」ことに繋がらない違和感もあったと思います。
その状況を解消したいという想いから、当時Twitterで話題になっていたクリエイティブアカデミーを受講しました。費用は30万円かかりましたが、それでも自分の気持ちが向くクリエイティブなモノに触れたい、と感じました。
心の違和感から新しいことへチャレンジ。その中で感じた気づき
ー実際に参加されてみて、どのような学びや気付きがありましたか。
普段仕事では使わない発想力を使うことは、すごく刺激的で楽しかったですね。
そして、講義から毎回与えられる課題に向けて時間を費やすことは、全く苦にならないことに気づきました。なるべくいいものを作ろうという気持ちになり、エネルギーや時間を投資することが楽しかったです。
その経験もあって、「もっと発想力を使う仕事がしたい」と思うようになりました。
ーそうだったんですね。勉強会を経て、自らのキャリアに関してどんな行動を取りましたか。
2年目に、社内で異動を試みました。
当時アクセンチュアインタラクティブ(現在はアクセンチュアソング)という、顧客視点でのサービス開発支援を手掛ける部署があり、そこへの異動を希望しました。
インタラクティブの日本統括の方にお時間をいただき想いを伝えたところ、「そこまでやりたいなら協力するよ」と言って頂き、無事異動することができました。
ーすごい行動力ですね。希望が叶い、実際異動されていかがでしたか。
異動できたのは良かったのですが、結果的にはそこまで大きな変化はありませんでした。
異動先では、高額なフィーに見合う成果を出すためのエキスパートが揃っていて、その中でクリエイティブ業務経験がない私は、クライアントとクリエイティブ部隊のパイプを務める役回りが精一杯でした。
学べることはもちろんありましたが、見て学ぶだけでなく、自らが企画・制作に携わりたい想いが強くなり、転職をすることにしました。
ー転職を意識されてから、現職にはどのようにたどり着いたのですか。
求人広告やエージェントを利用しながら、気になる数社の話を聞きましたが、どれも正直ピンときませんでした。
現職と出会ったのは、「なぜどれもピンとこないのか、そもそも自分は何が好きだったか」と考えた時、学生時代にクラウドファンディングに惹かれていたことを思い出し、「今なら入社できるかもしれない」と思いで、知人経由でMakuakeの社員を繋いでもらったことがきっかけでした。
行動の先で見つけた自分のエネルギ-を注ぎたいと思える仕事
ーそうだったんですね、具体的にはどのような部分に興味を持ったのですか。
クラウドファンディングのユニークな仕組みですかね。
実行者に叶えたいモノがあり、それを応援したいユーザーが高いモチベーションでお金を払ってくれる。その一部がマクアケの利益になるモデルを通して、関わる人々が皆Win-Winになるのが素敵だと感じます。
さらに現在では資金調達だけでなく、テストマーケティングの場としての「0次流通」の役割を果たしています。この仕組みのおかげで、尖ったアイデアや商品に焦点があたるのがクラウドファンディングの面白いところで、「Makuakeがなければこの商品が誕生しなかった」と言われることがすごく嬉しいですね。
ーご自身のクリエイティブさを発揮する、という点ではいかがでしたか?
現在の「キュレーター」という役割にもとても惹かれました。
キュレーターは、プロジェクトに多くの支援が集まるよう、商品が誕生したきっかけやマクアケに公開した理由などを設計・発信するお手伝いをします。そのために必要なことを自分なりに考えることができる自由度の高い仕事で、とても魅力的に感じました。
ー素敵ですね!Makuakeという会社自体はいかがですか?
Makuakeの知名度もちょうど上がってきていて、そのフェーズに携われることもMakuakeを選んだ理由でしたね。現在のサービスをアップデートしていきながら、より多くの方に利用してもらいたいです。
ーちなみに、アクセンチュアを3年で辞めることについて、転職を決断する際に抵抗や不安はありましたか?
いえ、失うものは無いと思っていたので、特に悩みませんでした。むしろ違和感を感じながらダラダラ過ごすほうが苦痛でした。
ただ、現状を変えるのはやはり気疲れしますし、アクセンチュアは待遇もよく働きやすい環境だったので、転職せずに続けるほうが居心地がよいと感じる方もいると思います。
ーそうだったんですね。素晴らしいタイミングでMakuakeに出会ったと思いますが、今振り返ると何が良かったでしょうか。同じようにキャリアに悩む方にアドバイスをお願いします。
自分の心にある「違和感」に正直になって、現状を変えるために行動してみることですかね。私は、ダラダラと居続けるのはもったいない、という気持ちがあったからこそ行動できたと思っています!
ーありがとうございます。最後に、20代のキャリアに悩む方に一つアドバイスをお願いします。
常によりよい方向に進もうと考えることが大切だと思います。
「同じ場所にいるべきか、離れるべきか」を定期的に考えて、そこにいる意味があれば残って頑張る、そうでなければ違和感を言葉にして、その先にある道を選ぶのがいいと思います!